植物性スクワランはスクワランとどう違う?

植物性スクワランはスクワランとどう違う?

スクワランの原料は大きく3つに分けられる。そのスクワランは、スクワレンに水素を添加したもので、その基になるスクワレンの原料を見ると、大きく以下の3つに分けられます。

 

@サメ肝油由来のスクワランA植物性スクワランB化学合成されたスクワラン

 

@サメ肝油由来のスクワランサメの肝油から抽出したスクワランです。約60年近い歴史があり、一般的にも保湿剤として馴染みのあるスクワランです。原料としてはアイザメが捕獲されて使用されています。サメは全体の約30%を内臓が占めており、その内蔵の約70%にあたる部分がスクワレンなどを含んだ肝臓なので、スクワレンは比較的容易に採取できていました。スクワレンはサメの肝油以外にも、オリーブ、大豆、米などに含まれていますが、当初植物からは微量しか抽出できなかったため、コストや純度、技術の問題上、従来はサメの肝油由来のスクワレンが主力でした。近年は海洋生物のダイオキシン汚染や農薬汚染がクロ−ズアップされていたり、サメの肝油に存在するプリスタンの皮膚への刺激性・残存性が問題となっていたり、動物保護の風潮があったりすることから、植物性のスクワランがクロ−ズアップされています。

 

A植物性オリ−ブスクワランオリ−ブの実を分離圧搾方により抽出した、""バ−ジンオリ−ブ""により得られるスクワレンを出発原料として製造された、植物油由来のスクワランです。オリ−ブスクワランの含有量は品種により大きく異なり、中でも古代種にたくさん含まれます。通常は油中に1%以下の含有ですが、近代種や生育場所によっては、0.1%以下と個体により大きく差があります。植物性オリ−ブスクワランの歴史は浅いですが、化学的構造や機能はサメ由来のスクワラン同様に保湿効果・抗菌性・安定性に優れています。スクワランはもともとサラッとした性質をもっていますが、植物性オリーブスクワランはそれにも増して肌に対してのなじみが良く、また皮膚の生理作用を阻害しないので、安心して使用できます。

 

B化学合成したスクワラン化学的に合成されてできたスクワランです。合成した油脂などを基本原料とし、難解な化学合成プロセスを必要とすることで製造される為、天然由来のスクワランと比較すると値段が高くなってしまいます。近年になって、天然のスクワランの品質や製造技術が向上し、大量に生産できるようになったため、品質・価格帯での差別化が図れず、市場での需要が伸び悩んでいます。

 

以上3つに大別されます。これらのことから「サメ由来(動物性スクワラン)」と「オリ−ブ由来(植物性スクワラン)」の違いについてまとめると以下のようになります。----------肌への刺激が少ない オリ−ブ由来 > サメ由来肌へのべたつき   オリ−ブ由来 > サメ由来使用感       オリ−ブ由来 > サメ由来純度        サメ由来   > オリ−ブ由来価格        サメ由来   > オリ−ブ由来----------

 

スクワランの使用に際しては、一般的な評価を参考に、「使い心地」「純度」「植物性か動物性」の何に重点を置くかを判断し、自分のお肌と相談しながら使っていきましょう。

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